日向一実32歳。職業グリーン・コーディネイター、CF撮影など感性を要求される世界で男まさりの仕事をしている。一実は再婚女性で、夫の秀夫は二つ年下の建築家、結婚二年目。最近いつもかかってくる正体不明の電話に、秀夫は前夫の影を感じていた。そんな時、一実に妊娠の予感、しかしなぜか秀夫には黙っていた。そんな一実に微妙な視線を向けるもう一人の男性がいた。行きつけの喫茶店のマスター友春だ。いま一実は、あまりポピュラーでない自分の仕事がささやかでも認められたらと、近づく個展の準備に余念がなかった。個展当日、一実の母志保、姉の茅子もお祝いにかけつけた。盛況にホッと胸をなでおろす一実に、女性誌のフリーライターを名乗る展子という若い女性が取材に来た。そこに顔を出した秀夫が、オートバイに乗ることを知った展子は、執拗に彼にまといつき、彼が建築中の家へ案内してもらう。一方、一実は友春の店で仲間と個展の成功を祝い、一人帰途につくと、台所で見知らぬ男が死んでいた。そこへ秀夫が帰ってきて、またも前夫の影を口走った。事件を契機に二人のモヤモヤしたものが一気に噴き出す。そんな秀夫に展子の存在は、火に油を注ぐようなものだった。秀夫は、突然故郷の和歌山に帰ると言いだした。上京してきた実兄功一の話がその気にさせたらしい。久しぶりに故郷の空気を満喫する秀夫、その彼の帰りを熱海駅で待ち構えていたのは展子だった。その頃、一実も友春に一瞬唇を奪われていた。そして医者からは妊娠確実の宣告。ある日、一実が友人たちを招いてパーティを開いた。そこに正体不明の電話が。いらだった秀夫は、挙句の果てに一実の仕事を、自然をもて遊ぶ虚業と決めつけた。大粒の涙をためながら反論し、一実は思いのたけを、皆の前でぶちまける。夜、あやまる秀夫に一実は妊娠を告げた。その日、一実は奇妙な夢を見た。そして二人の間の何かがふっ切れた矢先、ローラースケート遊びの子供を避けようとして一実は怪我をした。事故の知らせを聞いた秀夫に展子から電話が。それをふりきってオートバイで出かけた秀夫もまた転倒した。頭に包帯を巻いて区役所から出てきた一実に、ビッコを引き引き近寄る秀夫。一実の手には母子手帳が、しっかりと握られていた。
影视行业信息《免责声明》I 违法和不良信息举报电话:4006018900