明るく碧い空、碧い海の瀬戸内海を別府航路の観光船“くれない丸”が走っている。「週刊レディ」の記者矢野玲子は社命で作家山根爽太郎の取材紀行に同行しこの船に乗り込んでいた。そこへ玲子の父泰輔がバーのマダム加代と共にき、玲子とバッタリ会いあわてた。また、玲子は以前知り合った技師矢代英二と甲板で再会し、彼に魅かれた。船が松山の高浜に着くと、泰輔の戦友中島勘治と娘洋子が出迎えていた。洋子も前から矢代が好きだったが、倉本良平との間に縁談が起っていた。一方、泰輔は勘治と飲み合い加代をかえりみなかった。また“ヤマソウ先生”こと山根爽太郎は玲子と別府へ向った。意を決した玲子は別府から松山へ引き返し、矢代と東京での再会を約した。会社で“ヤマソウ先生”の書いた“海を渡る花嫁”の編集をしている玲子のもとへ、矢代から電話がかかってきた。矢代の家は浅草名代のてんぷら屋「天八」を経営しており、彼は時折カッポウ着をきて天ぷらを揚げた。玲子は山根や輝夫を誘って毎日「天八」へ通った。が、玲子を好きな輝夫は矢代の存在が面白くなかった。その頃、洋子は上京し花嫁修業を実施のため「天八」の住み込み女中になり、矢代と玲子と顔を合わせ嬉しいやら悲しいやら。一方、玲子は彼女を見て怒った。喜んだのは輝夫で、洋子と矢代がうまくゆけば自分と玲子の方もうまくゆくと、洋子の恋に応援をする始末。そんな時、倉本が上京し洋子に会い、彼女の幸せを願って帰った。別れた洋子は倉本の言葉が忘れられず彼の後を追った。晩秋の大安吉日の静かな日、洋子は玲子と矢代が結ばれることを願いながら、金らんどんすの花嫁姿も美しく良平のもとへ海を渡って嫁いでいった。勘治の心ずくしの花嫁衣裳が瀬戸の海にまばゆく照り映えていた。
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