正義感は強いが少々向こう気が強かった青年時代の正造、それゆえ、支配者に睨まれて投獄されたこともあったが、その獄中でも読書にいそしみ自らを成長させていった。何よりも「予は下野の百姓なり」とする正造の、土に密着したその生活姿勢と視点は、命や暮らしの大切さ、不正を許さない気迫を持って生涯を貫く。 カツ夫人との同志愛的結びつき、帝国議会を揺るがした「亡国演説」、命を張って世論を喚起するために起こした天皇への直訴、数度にわたる「大押し出し」(請願権)の決行、兵役・納税の義務を拒否し遊水池化を阻止した利島・川辺の村民たち、谷中村を追われた人たちの過酷な試練、最後まで谷中村にとどまった村民とともに、「辛酸亦入佳境」*(しんさん また かきょうに いる)と、今を見すえる。最後まで鉱毒被害や治水調査をして倒れた正造の葬儀には数万人もの人が集った。 今、田中正造が私たちに何を伝えるのか・・・・・ *「辛酸亦入佳境」= 何事もすべてを打ち込んで事にあたれば、苦労もかえってよろこびになる
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