石橋万作は、日向化学工業総務部庶務課長をつとめる平凡なサラリーマン。念願の一戸建てを購入した彼は、妻のふみ子と二人の子供、そしてフリーのチェロ奏者をしている弟の淳司を養っている。ある日、淳司の可愛がっていた犬・タロウが事故で死んでしまう。異常なくらい犬好きな淳司はひどく落ち込むばかりか、坊主を呼んでお経をあげてもらう始末。両親が亡くなって以来、淳司の面倒をみつづけてきた万作は、いい年をして子供じみたことをする弟の姿に嘆き、彼に厳しく接することを決意する。そんな矢先、淳司が一匹の迷い犬を連れて帰って来た。もう犬は飼わないと怒鳴る万作に、淳司は翌日飼い主に返す約束をするが、なんとその飼い主は万作の会社の社長・日向興三郎だった。そんなことに気づかない淳司は、犬の躾の仕方も知らない日向とその夫人に飼い方をレクチャーし、昼飯も御馳走になって帰って来るのであった。それを聞いた万作は、日向の名刺を貰っておきながら、それが自分の兄が勤める会社の社長だと気づかない淳司を、せっかく社長とお近づきなれるチャンスだったのにと責める。サラリーマンでない淳司には、それがどれほど大切なことだったのか理解出来なかった。それから数週間後、万作は突然社長から呼び出しを受ける。淳司の実直さを気に入った社長が、時々犬のバロンの面倒を淳司にみてもらいたいと言ってきたのだ。この申し出に感激した万作は、淳司に対する態度がすっかり変わってしまう。さらに軽井沢の別荘の空気の入れ換えをして欲しいと頼まれた万作は、ふみ子と淳司を連れ立ってそこへ赴くことになった。だが、豪勢な気分に浸ろうとした彼らに、これから立ち寄るという社長からの電話が入る。しかも、社長は姪で世界的プロゴルファーのひとみと友人夫妻を伴って来た。万作たちは、あっという間に別荘の管理人扱いされ、せっかくの休日も散々な思いをさせられてしまうのだった。ところが数日後、万作は社長からひとみと淳司の縁談についての相談を受けた。淳司がひとみと結婚すれば自分も日向一族の仲間入りをできると、万作はすっかり有頂天になるが、淳司は万作の気持ちなどお構いなしにきっぱりと話を断ってしまう。ショックに卒倒しそうになる万作だったが、淳司には既に意中の人がいたのだった。それは、近所の魚屋の娘・良子。万作と喧嘩した淳司は家を飛び出し、その足で良子にプロポーズした。そして、淳司と良子の結婚式。主賓の社長のスピーチに、万作は胸に熱いものを感じるのだった.
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