戦後の闇市を追放された村上朝吉は故郷の河内へ帰ったが田舎が嫌になり大阪へ出て、靴磨きの少女ひろみを拾った。そして宿へ帰ると、昔の知人おぎんにバッタリ会った。今はおかまの特技を生かし女剣劇一座にいるが、演芸館主、玉島の横槍で興行が出来ないでいた。朝吉は女座頭五月淳子に会い尽力を約束し、早速玉島の事務所を訪れ偶然用心棒に雇われている清次に会った。興行は無事終ったが、一座のギャラを前借した大磯が姿を消していた。困った朝吉は自分の体を手形に借金し金は因島の麻生親分に借りて払うと言った。ひろみを清次に託した朝吉は玉島と共に因島へ渡ったがそこで親分の死を知り万策つきた朝吉は、玉島にシルクハット親分の許へつれ込まれた。が、シルクハットの連絡で琴糸が訪ねてきた。彼女は以前遊廓から朝吉に救われ、その時の恩返しのため金を持って来たのだ。一方、清次はひろみの歌の素質を見抜き、彼女をのど自慢に出させ入賞確実とみられたとき、愚連隊が乱入し邪魔をした。怒った清次は連中を蹴散らしたが、脚をピストルで射たれた。その騒動の中でひろみは、大磯が因島へ行くことを聞いた。ひろみ、お政、負傷の清次らも因島へ向った。ひろみから大磯のことを知った朝吉は彼を探したが分らない。が、夜、大磯が現われ、いきなり短刀で突っかかって来たが所詮朝吉の敵ではない。彼の自供によると、黒幕はなんと玉島だったのだ。急遽朝吉は大阪へ帰った。玉島は新しい演芸館の棟上げ祝い中だったが、大磯と現われた朝吉を見ると、祝場はたちまち修羅場と化した。朝吉の頭突きと清次の松葉杖が冴えて、玉島は組み敷かれた。無事、玉島から金を取り戻した朝吉は、お政とひろみを楽団の一行に預け、金を女剣劇一座へ郵送すると、清次と共に肩を列べて去って行くのだった。
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