大正初期の東京、改正党の実力者城野はある夜反対派に襲われたが、書生の政吉に救われた。だが結局数日後外出先から遂に冷たくなって帰ってきた。金貸しの丸惣は、生前の城野の借金の返済を娘お雪に迫った。芸者になり返金しようとするお雪に何も出来ない自分に嫌気がさし、やけ気味で政吉は大暴れを演じるのだった。暫くして政吉は父と兄弟分だった伊三郎を訪ね、盃を--と頼んだが、伊三郎にやくざの世界の醜さを説かれた。が、政吉の決心は変らず、苦しい修業が始まった。さらに、“男”になって帰って来い、との伊三郎の言葉に励まされ、政吉は旅に出た。旅に出てからの政吉は、日一日とたくましさを加えてゆき、各地で堅気衆と無法者との仲裁役をかって出ているうちに、政吉の評判は関八州に鳴りひびいていった。そんな政吉の噂を聞き、伊三郎はわがことのように喜んだ。東京の伊三郎一家と、目にあまる非道をやって堅気衆を泣かせている丸惣、銀座一家との間は一触即発の状態にあった。そんなところへ、二年間の旅修行を終えた政吉が戻ってきた。今度は伊三郎の方から政吉に盃を受けてくれと頼むのだった。銀座一家のことを聞いた政吉は直ぐさま、単身で乗りこんだが、大親分の卯之助に諌められてその場はおさまった。政吉の家では母かねと、伊三郎のお蔭で今は自由の身となった妻お雪が待っていた。ところがそんな楽しさを破るように、とうとう銀座一家に、伊三郎が殺されたという知らせを傷だらけの由公から受け、政吉はこらえていた男の怒りを爆発させ丸惣、銀座一家めがけて降りしきる雪の中を飛び出していった。
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