高校三年生、それは喜こびと同時に、苦悩にみちた時代でもある。東京の下町晴海高校でも、溌剌とした話題が渦まいている。今日からこの学校に転校して来た高津明子も朗らかなスポーツガールだ。歴史の時間、面白くもない授業にうんざりした明子は、成績ナンバーワンの早川孝が「ちっとも面白くないです」と返事をしたのを、心で拍手した。孝の父善平は、工員であったが、妻の遺言通り、孝を大学にあげて、エンジニアにしようと誓っていた。そんな父の気持を知った孝は、自分が色弱であることを父に話せず悩んでいた。弟の信次は、勉強はからきし駄目で、彼の理想は、船田朗のような優秀な工員になることであった。事情を聞いた船田、明子、俊子、夏子の説得で、信次は、しぶしぶ大学に行くことを承知した。こんな明るい明子達にも悩みがあった。明子は見栄っぱりの母親に手を焼き、夏子は漫画家の父の奇行に悩やまされ、俊子は、ふしだらなバー勤めの母を持っていた。やがて待望の夏休みがやって来た。明子のグループは、海へと出かけた。だが、海辺で明子が孝の肩に乗って騎馬戦に興じているさまがあるカメラマンに写され、雑誌社に送られた。派手にあつかわれたグラビア写真を見た照子は、工員の子供との交際は一切ならぬと宣言した。人権侵害を主張した明子はハンストに突入した。だが俊子、夏子、船田らの協力で、明子らの明るさと健康な生活を理解した照子は、ようやく二人の仲を許した。その頃信次は努力のかいあって、クラスで六番となった。いきさつを聞いた善平は「信次を工科へ、孝を文科へ進学させよう」と快よく許した。こんな仲良しグループも、明子が父の転勤で東京に行くこととなって、ピンチに立った。だが来年、また東京で再会することを約した仲間の顔は、喜びに輝いていた。
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